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2023年3月 9日 (木)

ミサイルのロフテッド軌道とは

日本の新型主力ロケットH3の1号機は先日(2023/3/7)種子島宇宙センター(鹿児島県)から発射されましたが、2段目エンジンが点火せず、残念ながら失敗に終わりました。

ところで、ロケットとよく似たものとしてミサイルがあります。

両者の違いについてはネット上でも色々と説明されています。誘導装置の有無もその1つですが、結構曖昧なように感じます。

 

ここでは、ミサイルのロフテッド軌道について調べてみました。

コトバンクによれば:

ロフテッド(Lofted)軌道とは、

・通常の発射方法より角度を上げ、高い高度に打ち上げられた弾道ミサイルの飛行経路。
・射程距離は通常より短くなるが、1000キロメートルを超える高高度から落下するような軌道をとることで、
 着弾間際の速度がより高速になる。
・そのため、イージス艦などでの迎撃が困難とされている。

とあります。

 

地上から近距離への発射であれば、その軌道は放物線であり、発射角度 45度の時に飛行距離は最大となります。

地球を球体と仮定し、大気の摩擦を無視し、ミサイルには地球との間の引力しか作用しないとして万有引力の法則をベースに運動方程式を構成し、これを解くと軌道が得られます。

軌道は一般に円錐曲線(楕円や放物線)となります。

発射角度 A0の違いによる軌道変化を計算すると、下記の図が得られます(発射速度=7km/sの場合)。

75°で発射すると、45°の場合に比べて約1/3の飛行距離となりますが、最高高度は地上約4,000kmにも達します。

 A0 = 15°: 飛行距離 L=約8,000 km
 A0 = 30°: 飛行距離 L=約8,800 km
 A0 = 45°: 飛行距離 L=約7,300 km
 A0 = 60°: 飛行距離 L=約5,100 km
 A0 = 75°: 飛行距離 L=約2,600 km

ー> ミサイルの着弾と弾着

2023年2月28日 (火)

ミサイルの着弾と弾着

ロシアのウクライナ侵略における多くのミサイルの発射や、北朝鮮の弾道ミサイルの度重なる発射など、「ミサイル」という言葉が毎日のようにニュースに登場します。

ところで、ミサイルが発射されて地上に落下することを何と言うでしょうか。

一般的には「着弾」と言いますが、調べてみると「弾着」という言い方もあるようです。

両者に違いはあるのでしょうか。

ネット上には、

・着弾は「弾」が届くこと全般

・弾着は、弾が届いた「地点もしくはその時間」のこと

・組織によって(陸軍、海軍など)どちらを使うか慣例的に決まっている

などと紹介されていました。

 

ミサイルの軌道は発射角度と速度が与えられればほぼ計算できます。

地上(h=0)から近距離への発射であれば、その軌道は放物線であり、発射角度 θ=45度の時に飛行距離は最大となります。

山頂や飛行機などからの発射(h>0)の場合には θ<45度で飛行距離が最長となることがあります。

長距離ミサイルの場合には地球の丸みや上空での重力変化、空気抵抗の変化などを考慮する必要があり、軌道計算は複雑になります。

 

蛇足ですが、日本語には前後を入れ替えた熟語が色々あり、一般的には意味が異なります。

・社会と会社
・神明と明神
・出家と家出
・国王と王国



2023年2月 4日 (土)

整数nの階乗(n!)の厳密値を求める

整数nの階乗は 1からnまでのすべての整数の積です。

例えば、

5!= 1 x 2 x 3 x 4 x 5 = 120

500! = 1 x 2 x 3 x ・・・ x 500 =

1220136825 9911100687 0123878542 3046926253 5743428031 9284219241 3588385845 3731538819 9760549644 7502203281
8630136164 7714820358 4163378722 0781772004 8078520515 9329285477 9075719393 3060377296 0859086270 4291745478
8242491272 6344305670 1732707694 6106280231 0452644218 8787894657 5477714986 3494367781 0376442740 3382736539
7471386477 8784954384 8959553753 7990423241 0612713269 8432774571 5546309977 2027810145 6108118837 3709531016
3563244329 8702956389 6628911658 9747695720 8792692887 1281780070 2651745077 6841071962 4390394322 5364226052
3494585012 9918571501 2487069615 6814162535 9056693423 8130088562 4924689156 4126775654 4818865065 9384795177
5360894005 7452389403 3579847636 3944905313 0623237490 6644504882 4665075946 7358620746 3792518420 0459369692
9810222639 7195259719 0945217823 3317569345 8150855233 2820762820 0234026269 0789834245 1712006207 7146409794
5611612762 9145951237 2299133401 6955236385 0942885592 0187274337 9517301458 6357570828 3557801587 3543276888
8680120399 8823847021 5146760544 5407663535 9841744304 8012893831 3896881639 4874696588 1750450692 6365338175
0554781286 4000000000 0000000000 0000000000 0000000000 0000000000 0000000000 0000000000 0000000000 0000000000
0000000000 0000000000 0000000000 00000 (1135桁)

となります。

n! の値における、数字(0 - 9)の出現度数は 1~9はほぼ同割合で、0だけはそれらの約2倍となっています。

 

n = 2500 までの整数の階乗を求められるサイトを紹介します。

ー> 階乗の計算: 厳密値の計算

2023年1月28日 (土)

飛行機は音の聞こえる方向からどの程度先に進んでいるか?

上空約10,000m(10km)付近を飛行する飛行機。

その飛行音は飛行機の現在位置からかなり遅れた方向から聞こえてきます。

それでは、音の聞こえる方向からどの程度先に見えるのでしょうか。

概算してみました。

飛行機の巡航速度は通常、音速より若干遅い 1,000km/h程度のようです。

音速を300m/sとします。

上空 h = 10,000mから地上へ音が到達する時間、その間に飛行機が進む距離からズレ角度を計算すると、音の聞こえる方向から飛行方向に θ = 40~50度先を見れば、飛行機の姿を目撃できることがわかりました。

雲の少ない、よく晴れた日に飛行機の音が聞こえたら、上空をじっくり眺めてみるのもいいものです。

 

ー> 詳細はこちら

2022年10月29日 (土)

整数nの階乗(n!)の近似値を求めるスターリングの公式

整数nの階乗は 1からnまでのすべての整数の積です。

例えば、

 5!= 1 x 2 x 3 x 4 x 5 = 120

となります。

nが大きい時は、次のスターリングの公式で n!の近似値を求めることができます。

 n! ~ sqr(2πn)(n/e)^n

 ここで、
  sqr: 平方根
  π : 円周率(3.1415926535・・・)
  e : 自然対数の底(2.718281828・・・)

5!をスターリングの近似式で計算すると、下記の値が得られます。

 5! ≒ 118.0191679575901 (真値に対して約2%の誤差)

 

ー> 階乗の計算: スターリングの近似式による [JavaScript版]

2022年8月23日 (火)

電波腕時計を電波が受信しやすい方向に

現在使用中の電波腕時計が時々狂うので、時々標準電波受信帯の夜間に受信しやすい窓際に、時計の向きを電波送信所(広島市では九州局/はがね山)の方向に合わせ置いたりしています。

通常の置き場所が悪いのか、時計の向きが悪いのかわかっていません。

そこで、通常の置き場所に置いて、夜間だけ電波を受信しやすい向きを置いて様子をみることとしました。

この時計にはケース内部の9時位置に電波受信用のアンテナが組み込まれています。

電波時計は国内の下記2局の電波送信所(福島局と九州局)から送信される標準電波(時刻情報) を自動選局し、時刻やカレンダーを自動修正しますが、電波の受信開始から終了まで結構時間がかかるようです。

● 国内の電波送信所

 国内にある2箇所の送信所は以下のとおりで、各局から900~1,000kmが受信可能範囲です。
 ここ広島市では両方の電波が受信可能ですが、近い九州局の電波を受信しているものと思われます。

 ・福島局
   福島県大鷹鳥谷山(標高794m)のおおたかどや山標準電波送信所
   送信周波数 40kHz

 ・九州局
   福岡県と佐賀県との県境に位置する羽金山(標高900m)のはがね山標準電波送信所
   送信周波数 60kHz

 Denpa

写真は九州局です(Google Mapより)。

広島市のほぼ西南西の方向になります。

この時計には前記のようにケース内部の9時位置に電波受信用のアンテナが組み込まれていますので、これが西南西の方向になるように夜間置いています。

約2週間経過しましたが、今のところ正確に時を刻んでいます。

尚、時計の取説をよく読むと下記のような説明が記載されています。

・ケース内部の9時位置に、電波受信用のアンテナが組み込まれている。
・アンテナを電波送信所の方向に向けて窓際に置く。
・極端に高温や低温の場所では受信しにくい。
・バンドはなるべくアンテナの下に来ないよう、伸ばしておく。

 

ー> 電波腕時計がまた1~2秒ほど狂った

2022年8月 7日 (日)

電波腕時計がまた1~2秒ほど狂った

2週間ほど前に電波腕時計が、壁掛けの電波時計やラジオの時報に比べて5秒ほど進んでいるのに気付き、一晩別の窓際Aに置いておいたらまた正確な時を刻み出しました。

この腕時計、午前2時と4時の2回、自動的に電波を受信するタイプですが、その後元の場所に戻しておいたところ、今度は1~2秒狂ってきました。

前回と同様に夜間、窓際Aに置いておいたらまた正確な時を刻み出しました。

購入後2~3年ですが、当初はこのようなことは皆無で、以前に比べて何らかの事情で電波の受信状況が変わったのでしょうか。

Denpa

 

ー> 電波腕時計が5秒ほど狂っていた

2022年7月27日 (水)

電波腕時計が5秒ほど狂っていた

普段はあまり使用しない電波腕時計・・・

部屋の窓際に置いていますが、壁掛けの電波時計に比べて時刻が5秒ほど進んでいるのに気付きました。

今まではこのようなことは1度もありませんでした。

午前2時と4時の2回、自動的に電波を受信するタイプですが、何らかの事情で電波が受信できなくなったのかもしれないと思い、取説に従って時計の向きを電波送信所(広島市では九州局/はがね山)に合わせて別の窓際に移動して一晩様子をみてみました。

翌朝確認すると、正しい時刻を刻んでいました。

 Denpa

 

ー> 電波時計の受信時間は2分~16分

2021年12月 5日 (日)

1間=1.8181818・・・(m)は分数では 20/11となる

1間は尺貫法で使用される長さの単位ですが、計量法により取引・証明に用いることは禁止されています。

しかし、建物の分野では便宜的によく使用されます。

1間は、

 1.818181818・・・(m)

と、無限に「18」が続く循環小数です。

これを分数で表すと、

 20/11

となります。

Img_4939(京都・美山地区にある、かやぶきの家屋)

循環小数を分数に変換する方法には種々ありますが、1例を下記に示します。

ー> 循環小数を分数に変換する

2021年11月25日 (木)

伴西公園近くの三級三角点(広島市安佐南区)

広島市安佐南区伴西地区にある、伴西公園近くの小さな山の頂(山の名前は不明)に登り、山頂にある三級三角点を確認しました。

写真のような標石の上面に「3級基準点 NO4 広伴区」と刻印されていました。
山頂展望台からは広島自動車道、伴東地区の住宅街、火山などが一望できます。

 

この三角点の詳細データについては、下記参照されたし。

 

ー> 伴西公園近くの三級三角点のデータ

ー> 今までに訪れた三角点など

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