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2020年7月20日 (月)

マイホーム用の宅地分譲契約時の各種条件の有効期限

マイホーム建築用の宅地購入時に不動産会社と交わす不動産分譲契約書(宅地分譲契約書)における各種の付帯条件の有効期限について考えてみました。

契約書によっては、地域の景観を守るために、例えば次のような条件が付されている場合があります。

・1区画1戸建2階建までとする(宅地の分割禁止)。
・宅地の形状、盛土、石積法面の変更は原則として行わない。
・後日この土地を他人に譲渡する場合は、この契約に基づく権利義務一切をこの宅地の譲受人に継承履行させるものとする。

その宅地が第一種住居地域にあれば、通常は建築基準法で定められた建ぺい率やその他の条件を満たせば3階建て住居も建てられないこともありません。

しかし、契約書に前記条件が記載されている場合、2階建の建物までしか建築できません。

1区画を2分割(分筆)して他人に販売することもできません。

契約書に有効期限が記載されていない場合はどうなるのでしょうか。 これらの条件はいつまで有効となるのでしょうか。

有効期限が特に書いてないわけですから、少なくても当事者が生存中は有効と解釈するのが自然な解釈のような気がします。

しかし、不動産業者にとってはできるだけ早く売却したいわけですから、契約書に付帯された条件は邪魔になります。

「最近の社会情勢を考えると、前記条件は最早無意味である」との曖昧な理屈を持ち出して、「10年で無効である」として、1区画を分割して売り出す例があるようです。

 

ネット上のある法律相談サイトに、不動産売買契約書の有効期間について以下のような記述がありました。

・売買契約であれば有効期間は通常はない。
・代金の支払い等、請求ができるのは、請求ができる日から10年間で消滅時効にかかるので、
 これが有効期間のような役割を持っている。
・契約締結後、30年経過してからでも契約違反をすれば、その時点から10年以内であれば請求できるという事か?
 -> 理論的にはそうなる。
   ただし、売買契約で30年経過後に違反(債務不履行)があるというのは通常は考えにくいが・・・。

しかし、冒頭の付帯条件についてはむしろ、30年、40年、50年後の売却時に、関連する事象が発生することの方が多いと思われます。 従って、10年で無効とするのは現実を無視した暴論ではないでしょうか。

 

建築基準法第69条などに基づく「建築協定」は、建築基準法で定められた基準に上乗せすることができる仕組みであり、敷地の分割禁止、最低敷地面積の制限、地盤高の変更禁止、区画一戸建てなどの規制をかけることができます。

「建築協定」は、1950年に建築基準法が策定された当初から盛り込まれた制度であり、最近は日本全国で毎年150件程度認可されているようです。

冒頭の付帯条件のようなものは、この「建築協定」化すれば、問題の発生を最小化できるものと思われます。

Houses(Google マップから)

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