江の川と太田川は繋がっている?: 分水トンネルと可部発電所
江の川水系の上流にある土師ダムは、江の川の治水と、広島市や芸予諸島など広島県中央部への利水を目的として1974年(昭和49年)に竣工しました。
土師ダムに溜まった水は一部、長さ19kmの分水トンネルで分水嶺を経て中国電力可部発電所(広島市安佐北区)へ導かれ、発電に使用した後は太田川水系に流れ込んで、広島市の重要な水がめの一つとなっています。
国土地理院の地図を見ると、このトンネルのルートが点線で描かれています。
土師ダム側のトンネル入り口は、ダム南側の県道5号沿いで、ダム入口交差点から約800m程西に行ったところにあります。
このトンネルは途中の何カ所かで少しルートが折れて、可部発電所まで繋がっていることがわかります。
下図は、トンネルの始点と終点付近の拡大地図と、全体のトンネルのルートをGoogle Map上に分かり易く示したものです。
また、次の写真は土師ダム側の取水塔(トンネル始点)と可部発電所です(GoogleMapから)。
中国電力に先日問い合わせた結果などをもとに、このトンネル及び発電所に関するデータについて概要を記してみました。
・トンネル入口の湖面標高は約244m。
・トンネル入り口の標高は湖面より約10m下の、標高230m。
・トンネル長さは約19km、口径は約3m馬蹄形。
・トンネル勾配は 1:600(600mで1m下がる)で、単純な下り勾配になっている。
・トンネル途中には特に機器はなし。
・設置から約50年経過するが、この間故障なし。
・可部発電所:出力38,000kW、落差199m。
・発電後は根谷川に放流し、太田川に合流する。
土師ダムとその周辺には今まで何度も訪れていますが素晴らしい所で、特に春の桜の季節には多くの観光客で賑わいます。
(注)根谷川(ねのたにがわ)の表記については、「根の谷川」としている地図もあります。
ー> 国土地理院の地図
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