勝手口テラス屋根の波板張替え(4): 止め具の取付け間隔について
波板を複数枚使用してテラス屋根などを構成する場合、各々の波板の端部を少し重ね合わせて張っていきます。
● 重ね代と有効幅
一般的な鉄板小波(32波)では重ね代=2.5山 以上とされています。
重ね代を2.5山とすると 波板の全幅は655mm、波のピッチは32mmですので、全体の山数は、
655 / 32 = 20.46875 ≒ 20.5 山
となり、これから重ね代の2.5山を引くと、有効幅は
20.5山 - 2.5山 = 18山 -> 18 x 32mm = 576mm
となります。
● 止め具の取付け間隔
波板の端部は図のように、下になる方は山部とし、上側は谷部とします。
雨及び風に対して、重なり部分の上側波板両端は必ず止め具(フック)で固定し、その間は出来るだけ均等に固定します。
止め具の間隔については5山毎と6山毎の2つの考え方があるようです。
タキロンシーアイではHPで5山おきとしています。また、その他の多くのサイトでも5山を推奨しています。
しかし、6山毎としているサイトもあります(例えば、住友ベークライト)。
前述のように、両端の重ね代を考慮すると、有効幅は18山分であり、6山毎にすれば等間隔で止められるからだと考えられます。
5山毎の場合は有効幅18山に対して例えば、5山、4山、5山、4山とすればいいと考えます。
● 実際のテラス波板を見ると
住宅地のテラス波板を見ると、5山毎(あるいはそれ以下)に止めているものはあまり見かけません。
6山のものが圧倒的に多いようです。
多くのサイトで5山を推奨していますが、実際に目にするものはほとんど6山になっています。
どうしてでしょうか。
1つは上述の理由からでしょうか。
他にあるとすれば、工費節減でしょうか。
それとも・・・。
● メーカ「タキロンシーアイ」への問い合わせと回答
疑問を解消すべく、代表的なメーカの1つに問い合わせてみました。
・我が家のテラス波板の止め具(フック)間隔は6山毎になっている。
・タキロンのHP「ナミイタの取り替え方」には5山毎に止めるとある。
・6山でも問題はないか。
と尋ねたとところ、同社より
・HPに記載の「5山毎」は、止め具を付けた波を除いて5山毎に止めるという意味で、「5山毎」と表記している。
・従って、いわゆる6山毎が標準である。
との驚くべき回答がありました。
HPをよく見ると、「5山毎」ではなく、「5山おき」と書いてあります。
何とも分かりにくい表現です。 説明図の記載がないので、HPの文章を読んだだけでは分かりません。
ということで、6山毎でもいいようです(上に掲げた図に示す通り)。
ー> タキロンシーアイ: ナミイタの取り替え方(メーカのHP)
ー> 住友ベークライト: ポリカナミの施工法(メーカのHP)
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