ミサイルのロフテッド軌道とは
日本の新型主力ロケットH3の1号機は先日(2023/3/7)種子島宇宙センター(鹿児島県)から発射されましたが、2段目エンジンが点火せず、残念ながら失敗に終わりました。
ところで、ロケットとよく似たものとしてミサイルがあります。
両者の違いについてはネット上でも色々と説明されています。誘導装置の有無もその1つですが、結構曖昧なように感じます。
ここでは、ミサイルのロフテッド軌道について調べてみました。
コトバンクによれば:
ロフテッド(Lofted)軌道とは、
・通常の発射方法より角度を上げ、高い高度に打ち上げられた弾道ミサイルの飛行経路。
・射程距離は通常より短くなるが、1000キロメートルを超える高高度から落下するような軌道をとることで、
着弾間際の速度がより高速になる。
・そのため、イージス艦などでの迎撃が困難とされている。
とあります。
地上から近距離への発射であれば、その軌道は放物線であり、発射角度 45度の時に飛行距離は最大となります。
地球を球体と仮定し、大気の摩擦を無視し、ミサイルには地球との間の引力しか作用しないとして万有引力の法則をベースに運動方程式を構成し、これを解くと軌道が得られます。
軌道は一般に円錐曲線(楕円や放物線)となります。
発射角度 A0の違いによる軌道変化を計算すると、下記の図が得られます(発射速度=7km/sの場合)。
75°で発射すると、45°の場合に比べて約1/3の飛行距離となりますが、最高高度は地上約4,000kmにも達します。
A0 = 15°: 飛行距離 L=約8,000 km
A0 = 30°: 飛行距離 L=約8,800 km
A0 = 45°: 飛行距離 L=約7,300 km
A0 = 60°: 飛行距離 L=約5,100 km
A0 = 75°: 飛行距離 L=約2,600 km
ー> ミサイルの着弾と弾着
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