太陽光発電システムにおける自動追従方式の効果
太陽光発電パネルを太陽の方向に自動追従(追尾)させることにより、発電量を増加させることができます。
一般の住宅用ではちょっと困難ですが、事業用の発電システムではできないことはありません。
自動追従には大きく次の2方式が考えられます。
(1)水平面内自動追従方式(水平面内旋回のみ、首振りなし)
パネルの方位角のみを太陽の方向に追従させる。
(2)完全自動追従方式(水平面内旋回 + 上下首振り)
パネルの傾斜角、方位角を太陽の方向に追従させる(パネル面 ⊥ 太陽光)。
これらの追従方式と通常の固定方式の発電量を比較するアプリを以前作成したことがありますが、ここでは、これによる広島市でのシミュレーション結果について1例を紹介します。
● 計算条件
・年月日: 2022/3/5(土)
・システム容量: 5kW
・屋根傾斜角 : 30度
・パネル方位角: 0度(真南)
・日射量データ: 広島地方気象台での全天日射量データを使用
● 1日の発電量のシミュレーション結果
下記のように、自動追従方式では固定方式に比べて 1~2割の発電量アップとなっています。
両者の差は1日の日射量の変動にも左右されますが、設備費と発電量増加による収益アップとを比較して導入の可否を判断するのもいいでしょう。
また、意外と思われますが、追従方式より固定方式の方が発電量が多いこともあります。 これについては、末尾のサイトをご覧ください。
・固定方式 : 22.77kWh
・水平面内自動追従方式: 25.71kWh
・完全自動追従方式 : 27.62kWh
● シミュレーション画面の例
(広島市立大学近くの太陽光発電所 ~アカデミックリサーチパーク太陽光発電所~)
コメント