■アダムス方式による議員定数配分とは
選挙区の議員定数配分方式としてアダムス方式という言葉を最近よく耳にします。
各選挙区の議員定数配分を人口比に基づいて行う方式の1つであるアダムス方式では下記のように定数配分を行います。
・各選挙区の人口をある一定数 X で割り、商の小数点以下を切り上げてそれぞれの定数とする。
・各選挙区の定数の合計が総議員定数と一致するように X の値を調整する。
アダムス方式では切り上げ処理によって、各選挙区に定数1が最低限割り当てられます。
ここでは、選挙区数が3、総議員定数が100の場合について、アダムス方式による各選挙区の議員定数の具体的な決定過程を見てみましょう。
(1)総人口 = 36,481 を総定数 = 100 で割ると、1議席当たりの人口 = 364.81 となります。
(2)この値を最初の一定数 X とします: X = 364.81
(3)各選挙区の人口をXで割り算します。
(4)各商の小数点以下を切り上げて、それらの合計を求めます: 102。
(5)Xの値を変えて(X = 366)、同様にして合計を求めます: 101。
(6)以下、合計が100になるまで繰り返します。
(7)X = 370.4 で、各選挙区の定数の和が総議員定数100になるので計算終了です。
各選挙区の定員は 47、38、15 となります。
選挙区 | 1 | 2 | 3 | 合計 |
人口 | 17,042 | 13,884 | 5,555 | 36,481 |
X = 364.81 で割ると
| 46.71 | 38.06 | 15.23 | |
切り上げて
| 47 | 39 | 16 | 102 |
X = 366 で割ると
| 46.56 | 37.93 | 15.18 | |
切り上げて
| 47 | 38 | 16 | 101 |
X = 371 で割ると
| 45.94 | 37.42 | 14.97 | |
切り上げて
| 46 | 38 | 15 | 99 |
X = 370.4 で割ると
| 46.01 | 37.48 | 14.99 | |
切り上げて
| 47 | 38 | 15 | 100 |
(注1)複数の選挙区の人口が同じときなど、定数配分ができないことがある。
例えば、上記ケースで選挙区2と3の人口が共に5800人の場合。
このようなときには、追加のルールが必要となる(例えば、有権者数を加味する等)。
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