■ 太陽光発電: 屋根の傾斜角・方位角による発電量の比較(広島)

 気象庁による日射量観測が行われている主な都道府県庁所在地において、2013年1月以降の毎日の実際の全天日射量(1時間あたり)の観測値をベースに、屋根の傾斜角と方位角による太陽光発電システムの理論発電量を算出・表示するアプリ(別途紹介)を作成しましたが、ここでは広島市の2013年における屋根の傾斜角と方位角と理論発電量(1日あたり)の関係を算出した結果を示します。

 南向きでは傾斜角30度付近が最適ですが、東向きまたは西向きの屋根では傾斜が小さい方が発電量が多くなっています。 またパネルの向きを太陽の方向に自動追従させる方式では約15%の発電量UPが期待できることがわかります。

 これらの結果は以前(2008年9月)検討した結果とほぼ一致しています(末尾参照)。

roof2013g
roof2013t1
roof2013t2

●理論発電量の計算式

  理論発電量(kWh)=斜面日射量(kWh/m2) x パネル容量(kW) x (設置方式による係数)
                 x (1 - 温度損失) x (1 - パワコン損失) x (1 - その他損失)
  ・斜面日射量の推定はErbsモデルによる(-> 末尾参照)
  ・パネル容量:1kW
  ・設置方式による係数(温度上昇への影響度): 陸屋根 1.02、傾斜/屋根置型 1.00、傾斜/屋根材型 0.98
    但し、ここでは傾斜/屋根置型 1.00と仮定(必要に応じて、その他損失で調整可能)
  ・温度損失  :月別に設定(冬 10%、春/秋 15%、夏 20%)
  ・パワコン損失:6%
  ・その他損失 :5%

(注1)測器の故障等により、日射量等が一時的に観測できない時間帯は理論発電量=0としている。
(注2)積雪による発電量低下は考慮していない。
Erbsモデルの計算式
太陽光発電: 建物の方位角と屋根の傾斜角による年間発電量の比較(2008年9月)

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