「平面直角座標系」は日本国内を測量するために策定された平面直交座標系で、狭い範囲を対象とした測量や大縮尺地図などで使用されます。19の平面直角座標系の適用区域(国土地理院のHP)
日本国内には19の平面直角座標系が設けられていて、各座標系毎に適用区域が決められています。
ここでは、日本国内に19ある「平面直角座標系」について、緯度・経度<->平面直角座標の相互変換を行うことができます。
・「緯度・経度 -> (X, Y)」ボタンで、指定された緯度・経度を平面直角座標に変換します。
X軸は子午線方向で、真北に向かう値がプラス。
Y軸はX軸に直交する方向で真東に向かう値がプラス。
・「(X, Y) -> 緯度・経度」ボタンで、指定された平面直角座標を緯度・経度に変換します。
・北緯、東経は10進法度単位または度分秒単位で入力、表示されます。
10進法度単位: (例)132.47(度)
度分秒単位 :(例)132°28′12.34″ → 1322812.34 のように入力&表示
・平面直角座標は世界測地系、日本測地系の双方の値が表示されます。
●計算式:緯度・経度から平面直角座標への変換
緯度・経度から平面直角座標への変換式は下記のとおり(世界測地系、国土地理院のHPから抜粋)。
・φ、λ:対象点の緯度、経度
・φ0、λ0:平面直角座標系原点の緯度、経度
・a = 6378137(m):準拠楕円体の長半径
・F = 298.257222101:準拠楕円体の逆扁平率
・m0 = 0.9999:平面直角座標系のX軸上における縮尺係数
・n = 1/(2F - 1)
・A0~A5:nの多項式
A0 = 1 + n2/4 + n4/64
A1 = -(3/2)(n - n3/8 - n5/64)
A2 = (15/16)(n2 - n4/4)
A3 = -(35/48)(n3 - (5/16)n5)
A4 = (315/512)n4
A5 = -(693/1280)n5
・α1~α5:nの多項式
α1 = (1/2)n -(2/3)n2 + (5/16)n3 + (41/180)n4 - (127/288)n5
α2 = (13/48)n2 -(3/5)n3 + (557/1440)n4 + (281/630)n5
α3 = (61/240)n3 - (103/140)n4 + (15061/26880)n5
α4 = (49561/161280)n4 - (179/168)n5
α5 = (34729/80640)n5
・t = sinh[tanh-1sinφ - 2・sqrt(n)/(1+n)・tanh-1{2・sqrt(n)/(1+n)・sinφ}]
・tb = sqrt(1 + t・t)
・λc = cos(λ - λ0)
・λs = sin(λ - λ0)
・ξ' = tan-1(t/λc)
・η' = tanh-1(λc/tb)
・Sφ0 = m0・a/(1 + n)[ A0・φ0 + Σ(Aj・sin(2jφ0))]
・Ab = m0・a/(1 + n)・A0
・X座標、Y座標
X = Ab[ξ' + Σ(αj・sin(2jξ')・cosh(2jη'))] - Sφ0
Y = Ab[η' + Σ(αj・cos(2jξ')・sinh(2jη'))]
●計算式:真北(しんぽく)方向角 γ'
平面直角座標系のX軸を基準にして子午線方向までの角度を真北方向角といい、子午線収差とは符号が逆である。
原点の東側(Y > 0側)ではマイナス、西側(Y < 0側)ではプラスとなる。
指定された緯度・経度に対する真北方向角γ'の計算式は下記のとおり(国土地理院のHPから抜粋)。
・σ = 1 + Σ(2αj・cos(2jξ')・cosh(2jη'))]
・τ = Σ(2αj・sin(2jξ')・sinh(2jη'))]
・γ = tan-1((τ・tb・λc + σ・t・λs)/(σ・tb・λc - τ・t・λs)) : 子午線収差
・γ' = -γ
(注1)上の式中のΣはj=1からj=5までの和
(注2) sqrt(..)は平方根
(注3)日本測地系では準拠楕円体の長半径と逆扁平率が次のとおり
・a = 6377397.155(m)
・F = 299.152813
(注4)平面直角座標から緯度・経度への変換は上式を利用して反復計算で行っている。
国土地理院のHPには、平面直角座標から緯度・経度への変換式も掲載されているが、ここでは不使用。
変換ボタンの右側に表示される値が反復計算回数。
(注5)表示される地図は正確ではない(概略位置確認用)