年金や預金の積立額、受給額(受取額)の計算に便利な各種係数があります。
これらはいずれも資本を複利運用した場合の金額、利率、年数の関係を表すものです。 係数表を使用することにより、複雑な計算を行うことなく、簡単に必要な数値を求めることができます。
以下の計算式において、
r: 年利率、 n:年数
です。
(1)終価係数: k1
現在手元にある元金を複利運用した場合の、一定期間後の元利合計を求める際の係数。
k1 = (1 + r)n
定期預金の満期時の元利合計の計算などに利用します。
(2)現価係数: k2
複利運用して一定期間後に所定の金額(元利合計)を得るために、現在手元に必要な元金を求める際の係数。
k2 = 1/(1 + r)n [ = 1/k1 ]
終価係数の逆数になります。
(3)資本回収係数: k3
現在手元にある元金を複利運用しながら一定期間で取り崩す場合の、毎年の受取額を求める際の係数。
k3 = r(1 + r)n/[(1 + r)n - 1]
退職年金の受取額や元利均等方式の住宅ローンの返済額の計算などに利用します。
(4)年金現価係数: k4
一定期間にわたり複利運用しながら毎年一定金額を受取るために、現在手元に必要な元金を求める際の係数。
k4 = [(1 + r)n - 1]/[r(1 + r)n] [ = 1/k3 ]
資本回収係数の逆数になります。
(5)年金終価係数: k5
複利運用しながら一定金額を毎年積み立てる場合の、一定期間後の元利合計を求める際の係数。
k5 = [(1 + r)n - 1]/r
(6)減債基金係数: k6
複利運用して一定期間後に所定の金額(元利合計)を得るために、毎年積み立てる金額を求める際の係数。
k6 = r/[(1 + r)n - 1] [ = 1/k5 ]
年金終価係数の逆数になります。
下の画面で運用利率を入力して、係数表を計算・表示することができます。
上記6種類の係数は3つのグループ(k1, k2)、(k3, k4)、(k5, k6)に分けられ、同一グループ内の2つの係数は互いに逆数の関係にあります。 また3グループの間には(例えば、k1, k3, k5)、次のような関係式が成立します。
k1 = k3・k5
これらの係数の計算式の導き方については下記を参照してください。
年金の数学(2): 各種係数の算式の誘導