このプログラムは人工衛星(ロケット)の打上げ方位、打上げ角度、打上げ速度を指定して、打上げから周回軌道に至るまでの動き(軌跡)をシミュレーションするものです。
・発射(打上げ)地点の指定方法には下記があります。
・通常は打上げ地点名一覧から選択します。
・地点名を「任意点入力」にすると、経緯度入力あるいは平面地図上または地球儀上でクリック入力することができます。
経緯度は度分秒の数値をカンマで区切って入力(東経または北緯はプラスで、西経または南緯はマイナスで)。
・打上げ方位は東方向を基準(0度)として、反時計まわりに指定します。
真北が90度、真西が180度、真南が270度(または-90度)です。
・打上げ角度は水平面に対する角度を指定します(水平が0度、真上が90度)。
・打上げ速度はロケットの発射速度を km/s 単位で指定します。
・打上げ地点の高度も指定できます(単位:km)。
・条件を設定し、「発射(打上げ)」ボタンを押してください。飛行の一時停止、リスタートも可能です。
・「クリア(中止)」を押すと、飛行を中止します。
・右側の3D表示画面(地球儀)では地軸周りの回転および前後方向の回転(視点角度=俯角 の変更)ができます。
右上の3x3のメニュー(L,R,U,D,O)で左右、上下、初期状態復帰。
このメニューには次の機能もあります。
P1 : クリックでその点が画面中央になるように回転
# : 経緯線表示On/Off
B : 地図の明るさの変更
・計算の時間刻み⊿t(秒)を大きくすと計算誤差が次第に大きくなり、本来の軌道から少しずつずれてきます。
・衛星の飛行中は飛行速度(v)が表示されます。
・画面右下には軌道平面上の動きが座標とともに表示されます(原点は地球の中心)。
また、このシミュレーションプログラムから以下のことがわかります。
・打上げ速度が小さいと人工衛星は地球を周回するコースに乗ることができません。
・打上げ速度が約7.9km/sのとき、ほぼ円形の軌道上を周回することになります。
この速度は第一宇宙速度と呼ばれています。
・打上げ速度が約11.2km/sを超えると人工衛星は地球の重力圏から脱出し、再び地球には戻りません。
この速度は第二宇宙速度と呼ばれています。この速度は第一宇宙速度のルート2(≒1.4)倍です。
・打上げ速度が約7.9km/s以上、11.2km/s未満のときは地球の中心を焦点の1つとする楕円軌道になります。
・高度の高い山上あるいは航空機から人工衛星を発射すると、7.9km/s以下でも円軌道に乗せることができます。
この場合には「高度(km)」欄に値を設定してから発射して下さい。
・人工衛星の速度は地球から離れると遅くなります(ケプラーの第2法則 = 面積速度一定)。
(注1)本シミュレーションは誘導制御装置のないロケットによる打上げを想定しています。
(注2)Euler(オイラー)法 / Runge-Kutta(ルンゲ・クッタ)法は軌跡の計算方法です。
(注3) 地図(特に日本地図)があまり正確でないため、指定点P1の表示位置が少しずれることがあります。