■ 車の数学(24): 車の運転と最小回転半径 ~ドリー式フルトレーラー付き~
以前作成した「車の運転と最小回転半径」に関するアプリに、図のようなドリー式フルトレーラーが付いた車の計算も可能なように機能を追加したものです 。
ドリー(ドーリー、Dolly)とはトレーラーの前軸台車で、連結部を中心に回転します。
最小回転半径(Minimum turning radius)とはステアリング(ハンドル)を一杯に切って旋回したときに、外側前輪の接地面の中心が描く半径をいいます。小型乗用車の最小回転半径は概ね4~5m程度です。
最小回転半径:Rminは前輪の車軸中心から後輪の車軸中心までの距離(ホイールベース):Wと、外側前輪の最大切れ角:θmaxから以下のように計算できます。
Rmin = W/sin(θmax)
ここでは、車の諸元をもとに任意のハンドル回転(切れ角)に対する4つの車輪とボディーの4隅に加えて、トレーラー部の回転半径を計算するとともに、走行軌跡を表示します。 また、前後の内輪の回転半径の差である内輪差と、外輪の回転半径の差である外輪差もあわせて計算・表示します。
・車のハンドル回転はマウスホイールの回転で行います。
・回転中心は赤の+字で表示されます。
・画面上のグリッド幅は1mです。
・車の前進(Start)、停止(Stop)、バック、初期位置復帰(Reset)ができます。
・クロソイド(clothoid)曲線に沿った走行ができます。
・各部の軌跡を個別に表示 On/Offすることができます。 各項目部をクリックします。
・画面右上部をクリックすると、走行(表示)スピード、ズーム倍率、原点位置の変更ができます。
項目名の上をクリックすると初期値に戻ります。
原点位置変更は描画画面上を直接クリックしてもOKです。
・ドリー Do = 0 とすると、ドリー式でない簡単なトレーラーとなります。
(注0)黒●:座標原点、赤●:車の基準点(左後輪)、緑●:トレーラー連結器とドリー、赤+:旋回中心
(注1)全点軌跡表示の場合、次第に表示速度が遅くなる。
(注2)表下部の左側項目名「車の位置/回転半径」、「トレーラ位置/回転半径」をクリックすると、車本体部、トレーラー部それぞれ一括で表示On/Offの切り替えが可能。
(注3)トレーラーの内輪差*、外輪差*は車の前輪に対するトレーラー後輪の回転半径差。
● 切れ角、回転半径とアッカーマン理論曲線
● センターアクスル式フルトレーラー
トレーラーの車体の中央に車軸があるもので、車軸が1個のものはDo = 0 で処理できます。
車軸が2個のものはその中間位置に車軸が1個あるものとし寸法 D、E、Fを与え、Do = 0 とします。
● セミトレーラー
図のようなセミトレーラーに対しては、連結器位置 C<0、Do = 0 で処理できます。
トレーラー車軸の中間位置で寸法 D、E、Fを与えます。
クロソイド曲線
ホーム