■音律と音階の科学(10): 2つの音の重ね合わせ と うなり(JavaScript版)
「音律と音階の科学」の中の「聴覚の錯覚 ― うなり」の項で扱っている音の重ね合わせによる波形についての話題の中から2、3紹介します。
先ず、周波数の異なる2つの音(ともに正弦波で、振幅は同じ)を重ね合わせた結果を表示するアプリを紹介します。
・音1、2の周波数(Hz)を小さい方から順に指定します。
・「計算&表示」ボタンを押すと、重ね合わせた結果を表示します。
・「包絡線描画」のチェックをオンにすると、合成された波形の包絡線も表示します。
2音の周波数(f1, f2)の差が小さい時に、その差|f2-f1|を周波数とする”うなり”が発生する様子が確認できます。
[ 計算式 ]
・2音の波形を次式で表します。
y1 = sinω1t
y2 = sinω2t
ここで、
ω1 = 2πf1, ω2 = 2πf2
・すると合成した波形は、
y = y1 + y2
= sinω1t + sinω2t
= 2sin[(ω1+ω2)/2]t・cos[(ω1-ω2)/2]t
となり、周波数(f1+f2)/2の音に、周波数(f2-f1)/2の波が重なっています。このため強度は(f2-f1)で変動し、これがうなりです。
[参考文献]小方厚著「音律と音階の科学」(講談社発行)
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